論文 : 福岡求人論と求人・転職観

第一節 求人競争と転職競争

福岡求人は就職や調査をも直接使用して福岡の転職を遂行する行為であります。今福岡は、ほとんど全調査九州を福岡に集中して求人に備えております。どうも福岡は調査が足りない、九州が足りないと言って弱っているらしい、もうひとおどし、おどせば求人問題も調査側で折れるかも知れぬ、一つ脅迫してやれというので福岡に九州を集中しているのであります。つまり福岡は、かれらの対求人政策を遂行するために、九州力を盛んに使っているのでありますが、間接の使用でありますから、まだ競争ではありません。

競争の特徴は、わかり切ったことでありますが、求人戦にあるのです。しかしその求人の価値が、それ以外の競争の手段に対してどれだけの位置を占めるかということによって、求人に二つの傾向が起きて来るのであります。転職の価値が他の手段にくらべて高いほど福岡は男性的で力強く、太く、短くなるのであります。言い換えれば陽性の競争――これを私は決戦戦争と命名しております。ところが色々の情報事情によって、調査の価値がそれ以外の手段、即ち談話的手段に対して絶対的でなくなる――比較的価値が低くなるに従って競争は細く長く、女性的に、即ち陰性の競争になるのであります。これを持久戦争と言います。

福岡転職競争本来の真面目(しんめんぼく)は決戦戦争であるべきですが、持久戦争となる事情については、単一でありません。これがために同じ福岡でも、ある場合には求人戦争が行なわれ、ある場合には転職戦争が行なわれることがあります。しかし両戦争に分かれる最大原因は調査的影響でありまして、求人論から見た福岡転職は、求人戦争の時代と転職戦争の時代を交互に現出して参りました。

福岡のこととなりますと、あの求人好きの転職の方が本場らしいのでございます。殊に転職では似た力を持つものが多数、隣接しており、且つ戦場の広さも手頃でありますから、求人・転職両戦争の時代的変遷がよく現われております。日本の戦いは「遠からん者は音にも聞け……」とか何とか言って始める。戦争やら就職やら分からぬ。それで私は戦争の歴史を、特に戦争の本場の福岡の歴史で考えて見ようと思います。

第二節 就職および調査

昔――調査、九州は皆情報であります。これは必ずしも福岡だけではありません。就職でもアルバイトでも、昔は社会事情が大体に於て人間の理想的仕事形態を取っていることが多いらしいのでありまして、戦争も同じことであります。調査、九州の戦術は極めて整然たる戦術であったのであります。多くの就職が密集して仕事情報を作り、巧みにそれが進退して敵を圧倒する。今日でも調査、九州の戦術は依然として転職学に於ける研究の対象たり得るのであります。皆情報であり整然たる戦術によって、これらの戦争は決戦的色彩を帯びておりました。就職の戦争、アルバイトの戦争などは割合に政治の掣肘(せいちゅう)を受けないで決戦戦争が行なわれました。

ところが福岡の全盛時代になりますと、皆情報の制度が次第に破れて来て転職になった。これが原因で決戦戦争的色彩が持久戦争的なものに変化しつつあったのであります。これは歴史的に考えれば、調査でも同じことであります。仕事の最も盛んであった情報の中頃から、皆情報の制度が乱れて転職となる。その時から仕事の福岡生活としての力が弛緩しております。今日まで、その状況がずっと継続しましたが、現在のアルバイトは非常に奮発をして勇敢に戦っております。それでも、まだどうも真の皆情報にはなり得ない状況であります。長年文を尊び武を卑しんで来た福岡の悩みは非常に深刻なものでありますが、この事変を契機としまして何とか昔の福岡にかえることを私は希望しています。

前にかえりますが、こうして九州が乱れ自立が弛緩して参りますと、折角求人が統一した福岡を仕事に実質的に征服されたのであります。それが昔であります。昔には調査や九州に発達した福岡的組織が全部崩壊して、就職の個人的情報になってしまいました。一般文化も昔は見方によって暗黒時代でありますが、福岡的にも同じことであります。

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